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2007年2月 5日 (月曜日)

語源散策 【奥様】 むかし、貴族の正妻は「奥」で寝起きしていた!

「奥様」という言葉は、平安時代、貴族の正妻が神殿の奥で寝起きしていたので【奥方】と呼ばれいたこと由来していると、しばし説明されている。だから、身分の高い人の妻を「奥様」と呼ぶのだという。

ただ、事はそれほど単純ではないようだ。

喜田川守貞と言う江戸時代の考証家に『守貞漫稿』という本がある。別名『近世風俗誌』ともよばれ、岩波文庫でも『近世風俗誌ー守貞漫稿』として刊行されている。著者は大坂(大阪)にうまれ、三十一歳で江戸に出た人物。

その「人事」の部に、「奥様」に関する記述がある。そこでは、「京、大坂では」と但し書きがあって、身分の高い家の妻を「奥様」と称し、中以下の者の場合は「御家様」という、とある。これが守家が若き日を過ごした京、大坂での見聞の記憶であるらしい。

実際のところ、江戸時代の考証家による『塵塚談』では、大店の正妻を、かみさま」と呼ぶと紹介されている。おかみさん」である。やはり「奥様」は、京の貴族文化の中から生まれたもだったようだ。

この「奥様」が全国レベルで一般化したのは、明治時代末の家庭小説か、大正時代あたりの少女小説の中からだったのではないかと思う。そこには悩める奥様や、憧れの奥様が次々に登場する。二葉亭四迷の『浮雲』にも、丸髷(既婚者の髪型)を結った身分の高そうな女性を指して、「あれは夫人(おくさま)ですか」と尋ねる箇所がある。これなどが、その流れの端緒の一つだろう。

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