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2007年5月11日 (金曜日)

もう直ぐ母の日 「カーネーション事件」

ある年の母の日、長野県で栽培されたカーネーションが東京や大阪に出荷されてきた。しかし、これらのつぼみは開かずに萎れてしまった。不思議に思って調べたところ、これらのカーネーションは成熟したリンゴを詰めた箱と一緒に長野県から搬送されたことが原因であった。

なぜ、リンゴ箱と一緒に運ばれたカーネーションのつぼみは開かなかったのだろうか。この謎を解くためには、20世紀の初めにアメリカで起きた類似の事件にさかのぼらなければならない。

この事件のきっかけも、温室で育ったカーネーションのつぼみが開かない現象であった。栽培者は「温室近くのガス管から漏れたガスが原因だろう」と考えた。相談を受けたシカゴ大学のクロッカー博士は、ガスの成分の作用を調べた。その結果、ガスに含まれるエチレンという気体がカーネーションのつぼみを開かせないことがわかった。

蘭や朝顔、紫カタバミなど、多くの植物の花がエチレンに反応して萎れてしまうが、カーネーションのつぼみや花は特に敏感に反応するのだ。

では、このエチレンと日本の「カーネーション事件」のリンゴ箱とは、どのように結びつくのだろうか。実はエチレンというのは「果物の成熟ホルモン」とも言われ、果物の成熟を促す気体である。当然、成熟したリンゴに多く含まれている。だから、成熟したリンゴから、エチレンが放出されたのだ。

花が萎れるには、外部から吸い込まれるエチレンだけでなく、花の内部から発生するエチレンの働きであることも知られている。しかし、面白いことに、エチレンの発生する量は切り花の置き方、持ち方で変わってくる。

カーネーションの切花持ち歩くとき、花を聖火のように上に掲げて歩く人はまれである。穂と喉の人が下向きにぶら下げる。これが正しい持ち方である。

花を下向きにぶら下げると切花の中の水分が重力によって最下方花の部分に集まりためである。このことがエチレンの発生量を少なくするようである。

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